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【弁護士監修】弁護士が自社開発したAI法務システム契約書、ChatGPTに貼っていませんか?──弁護士が自社開発した「守れるAI法務」の話

【弁護士監修】弁護士が自社開発したAI法務システム契約書、ChatGPTに貼っていませんか?──弁護士が自社開発した「守れるAI法務」の話

「取引先から渡された契約書、内容に問題がないか不安だけど、毎回弁護士に頼むのも…」
「最近は法改正も多くて、自社の契約や下請取引が今のルールに合っているのか自信がない」

中小企業を経営していると、こうした”小さな法的モヤモヤ”が積み重なっていきます。かといって、社内に法務担当を置く余裕はない。これは多くの経営者に共通する悩みです。

当事務所では、この課題に向き合うために、弁護士自身が自社でAI法務システムを開発・運用しています。この記事では、そのシステムが何をするものなのか、そしてなぜ”自社開発”にこだわったのかを、専門用語をできるだけ避けてご説明します。

なぜ今、中小企業の「契約リスク」は増えているのか

結論から言えば、守るべきルールが増え、しかも頻繁に変わっているからです。

ここ数年だけでも、企業間取引に関わる法律は大きく動いています。たとえば2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(取適法)は、これまでの下請法を見直し、発注側・受注側の双方に新しい対応を求めています。下請法、独占禁止法、不正競争防止法なども含め、契約書の一文が思わぬリスクにつながる場面は確実に増えました。

問題は、こうした変化を中小企業がリアルタイムで追いきれないことです。気づかないうちに不利な条項を受け入れていた、というのは決して珍しい話ではありません。

「契約書をChatGPTに貼る」ことの落とし穴

最近は、契約書のチェックに生成AIを使う経営者も増えています。たしかに手軽です。しかし、ここには見落とされがちな落とし穴があります。

それは機密情報の取り扱いです。一般に公開されている生成AIサービスに契約書をそのまま入力すると、その内容が外部のサーバに送られ、場合によってはAIの学習などに利用される可能性があります。取引先名、金額、独自の取引条件といった、本来は社外に出してはいけない情報が含まれているケースがほとんどです。

情報漏洩リスクの実態──3つの重要な事実

この問題については、ブログ「AIで契約書リーガルチェックをやってみた——独自AIシステム構築編【実証①】」でも書きましたが、ここでも改めてお伝えします。


1つ目。消費者向けのChatGPT(無料・Plus・Pro・Goプラン)は、初期設定のままだと、入力した内容がAIの学習に使われます。ビジネス・エンタープライズ向けプランは学習対象外ですが、多くの方が使っている個人向けプランは「学習オン」が初期状態です。

2つ目。AnthropicのClaudeは、消費者向け規約が2025年9月に改定され、学習利用に「オプトイン(同意)」すると、会話が非識別化された形で最長5年間保持され、モデル学習に使われるようになりました。オプトアウトすれば従来どおり30日保持・学習なしのままですが、設定ひとつで保持期間が30日から5年へと一気に延びる、ということです(参照:Anthropic「Updates to Consumer Terms and Privacy Policy」)。

3つ目。「30日で消える」という前提自体、外部要因でひっくり返ることがある、と実例で示されました。2025年5月から9月にかけて、ある著作権訴訟の裁判所命令により、OpenAIは削除済みチャットや一時チャットを含む会話データの保持を義務づけられていました(その後、標準運用に復帰)。つまり、運営元が「30日で消します」と言っていても、訴訟などがあれば消えずに残ることがある、ということです。


だからこそ、当事務所は自社開発を選んだ

弁護士は、クライアントの契約書に書かれた当事者名や取引内容を、絶対に外部に漏らせません。

「最長30日、第三者が見られる状況に置かれる」だけでも了解しがたいのに、「設定次第で最長5年」「訴訟があれば消えない」となれば、消費者向けクラウドAIに契約書をそのまま渡すという選択肢は、なおさらありえないわけです。

(※AI各社の保持ポリシーは頻繁に改定されます。上記は2026年6月時点の内容です。最新は各社の公式ページ=OpenAI Help Center や Anthropic のニュースリリースでご確認ください。)

だからこそ当事務所では、「便利だから」という理由だけで外部のAIに依存するのではなく、情報を外に出さずにAIの力を使える環境を、自分たちの手で作るという方針を選びました。

弁護士が”自社開発”したAI法務システムの仕組み

難しそうに聞こえますが、やっていることはシンプルです。順番に見ていきましょう。

① 事務所の知識を、AI専用の「書庫」にする

まず、当事務所が蓄積してきた契約書のひな型、関連法令、過去の検討事例などを、事務所内のサーバ(NAS)にまとめています。これがAIにとっての専門書庫(ナレッジベース)になります。

市販のAIが持つ”一般常識”ではなく、当事務所の専門性そのものを参照させる、という発想です。

② 安全なクラウドと同期する

その書庫を、Amazon Web Services(AWS)という信頼性の高いクラウド基盤と同期しています。データは事務所の管理下に置かれたクローズドな環境で扱われ、誰でも見られる場所に公開されるわけではありません。

なお、API や Amazon Bedrock といった商用利用向けの基盤は、消費者向けの規約とは別物です。入力が学習に使われず、保持期間も短く設定されています。

私のシステムは、こうした商用基盤の上に、さらに「データを自分しか触れない状態にする」仕組みを重ねています。規約の面でも技術の面でも、契約書の情報が外部に漏れない構造になっているわけです。

③ AIが「根拠」を探し、わかりやすく整理する

経営者から契約書や質問が届くと、システムはまず書庫の中から関連する条文・事例・ノウハウを探し出します。そのうえで、見つけた根拠だけを高性能なAI(Claude)に渡し、「どこにリスクがありそうか」「何を確認すべきか」を読みやすい形に整理させます。

ポイントは、AIが思いつきで答えるのではなく、当事務所の知識という裏付けに基づいて整理する仕組みになっていることです。

④ 最終的な判断は、必ず弁護士が行う

ここが最も大切な点です。AIはあくまで、弁護士の作業を速く・正確にするための”優秀な下調べ役”です。

リスクの評価や、お客様への最終的なアドバイスは、必ず弁護士が責任を持って行います。AIに法的判断を丸投げすることはありません。

中小企業経営者にとっての3つの価値

このシステムを通じて、経営者の皆さまには次のような形でお役に立てると考えています。

  1. 対応が早くなる — 契約書の論点の洗い出しを効率化できるため、ご相談への初動が速くなります。「急ぎで見てほしい」に応えやすくなります。
  2. 見落としを減らせる — 過去の事例や最新の法令と照らし合わせることで、人の記憶だけに頼らず、確認すべき点を網羅的に拾い上げます。
  3. 機密が守られる — 外部の公開AIに情報を渡さず、管理下の環境で処理するため、安心してご相談いただけます。

よくある質問(FAQ)

Q. 契約書をChatGPTなどの生成AIに入力しても大丈夫ですか?
A. 一般公開されているAIサービスに契約書をそのまま入力すると、機密情報が外部に送信される可能性があります。取引先名や金額が含まれる書類では特に注意が必要です。当事務所では、情報を外部に出さないクローズドな環境でAIを活用しています。

Q. このAIが契約内容を最終判断するのですか?
A. いいえ。AIは関連する根拠を探し、論点を整理する”下調べ役”です。リスク評価や最終的なアドバイスは、必ず弁護士が行います。

Q. 中小企業でも、こうしたAI法務チェックを利用できますか?
A. はい。社内に法務担当者を置けない中小企業こそ、効率化の効果を実感しやすいと考えています。まずはお気軽にご相談ください。

Q. 入力した情報が外部に漏れる心配はありませんか?
A. データは当事務所の管理下にあるクローズドな環境で扱われ、外部AIの学習などに利用される設計にはしていません。

Q. どんな書類に対応できますか?
A. 取引基本契約・業務委託契約・秘密保持契約などの各種契約書のほか、コンプライアンスや不正競争防止に関わるご相談にも対応しています。

「自分でも作れるもの」を、自分で作る弁護士に

当事務所は、契約法務・コンプライアンス・不正競争防止などを専門分野とし、AIシステムの開発・運用まで自ら手がけています。法律とテクノロジーの両方を理解しているからこそ、机上の理屈ではなく、実際に使える形で皆さまの課題に向き合えると考えています。

契約書のチェック、取引上のリスク、法改正への対応など、気になることがあれば、まずは一度ご相談ください。

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