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【弁護士監修】適格消費者団体の差止請求──法改正を待たず、今日から対応すべきものはこちらです

【弁護士監修】適格消費者団体の差止請求──法改正を待たず、今日から対応すべきものはこちらです

本日、ダークパターン規制について2本の記事を公開しました(特定商取引法側と消費者契約法側)。いずれも「中間取りまとめ(案)」の段階です。法改正を経て施行されるまで、規律そのものに効力はありません。

——では、それまで何もしなくてよいのか。

そうではありません。現行法の枠内で、今日から対応すべきものがあります。

適格消費者団体による差止請求です。実際、直近1〜2年だけでも、最終確認画面の表示やウェブサイトの利用規約が、次々と是正されています。法改正を待っていません。

付け加えると、特定商取引法側の中間取りまとめ(案)も、法執行方策の項でこの制度に触れています。インターネット上の不当な勧誘等について「適格消費者団体による差止請求の対象とすることを検討すべきである」——つまり今後さらに広がる方向にある制度です。

この記事では、次の順序で整理します。

  • 差止請求とは何か(そして何ではないか)
  • どの法律の、どの行為が対象か
  • 申入れから公表までの手続
  • 直近の事案で、実際に何が問題とされたか
  • 海外事業者にも届くのか
  • なぜ行政処分より先に来るのか
  • 申入書が届いたときの社内フロー

本記事は2026年9月2日時点の情報に基づく解説です。条文はe-Gov法令検索により、事案は消費者庁の消費者契約法第39条第1項に基づく公表資料および申入れを行った適格消費者団体の公表資料により確認しています。協議の経緯や書面のやりとりは後者にのみ記載されているもので、消費者庁の公表資料には含まれていません。なお本記事では、事案について事業者名・団体名を記載せず、業種と時期で参照しています。個別事業者の追及ではなく、同種の設計を続けている企業への情報提供として書いているためです。未確認の論点は記事末尾に明記しました。

この記事の結論

  • ①差止請求は、法改正を待ちません。現行の消費者契約法・特定商取引法・景品表示法・食品表示法の枠内で行われます。実際、最終確認画面の表示を問題とした申入れは、既存の特定商取引法第12条の6を根拠に行われています。
  • ②和解金では終わりません。求められるのは画面設計や契約条項そのものの是正です。個別紛争ではないため、1件ずつ処理する対応が効きません。
  • ③協議が調っても公表されます。消費者契約法第39条第1項により、訴訟にならなかった事案も、事業者名を含めて公表されます。
  • ④海外事業者にも届いています。ただし所要期間は長く、直近の事案では申入れ開始から終了まで約1年6か月を要しています。

第1章 差止請求とは何か

まず条文から確認します。

この法律において「適格消費者団体」とは、不特定かつ多数の消費者の利益のためにこの法律の規定による差止請求権を行使するのに必要な適格性を有する法人である消費者団体…として第十三条の定めるところにより内閣総理大臣の認定を受けた者をいう。

消費者契約法 第2条第4項(e-Gov法令検索)

ポイントは「不特定かつ多数の消費者の利益のために」という部分です。個別の被害者の代理人として動くのではありません。被害を受けた消費者がいなくても、行為が「現に行われ、または行われるおそれがある」なら請求できます。

団体の数

種別数できること
適格消費者団体27団体差止請求(行為の停止・予防、供した物の廃棄・除去等)
特定適格消費者団体
(適格消費者団体のうちから認定)
4団体差止請求に加え、被害回復(消費者裁判手続特例法に基づく、消費者に代わる金銭的被害の集団的回復)
消費者庁の公表による令和8年7月末現在の数です。差止請求と被害回復は根拠法も主体も異なる、別の制度です。

差止請求で「できないこと」

誤解されやすい点なので、明確にしておきます。

 差止請求
金銭の支払いを求めるできません。求められるのは行為の停止・予防等です
個別の消費者に返金させるできません。それは被害回復(特定適格消費者団体)の役割です
画面設計や契約条項を直させるこれが本体です
「金銭で解決できない」ことが、事業者から見た最大の特徴です。

第2章 どの法律の、どの行為が対象か

意外に知られていませんが、「差止請求」という語を定義し、その対象となる法律を列挙しているのは消費者契約法第12条の2です(同条の見出しは「差止請求の制限」で、実体的な請求権は各法律の側にあります)。

前条、不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)第三十四条第一項、特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号)第五十八条の十八から第五十八条の二十四まで又は食品表示法(平成二十五年法律第七十号)第十一条の規定による請求(以下「差止請求」という。)は…

消費者契約法 第12条の2第1項柱書(「前条」は第12条を指します)

つまり4本の法律にまたがる制度です。自社が「消費者契約法は関係ない」と考えていても、特定商取引法や景品表示法の側から入ってきます。

消費者契約法側(第12条)

項対象行為
第1項勧誘に際しての第4条第1項〜第4項の行為(不実告知、断定的判断の提供、不利益事実の不告知、困惑類型、過量契約)
第3項第8条から第10条までの不当条項を含む契約の申込み・承諾の意思表示
第2項・第4項受託者・代理人が行う場合に、委託した事業者・本人事業者に対して是正の指示または教唆の停止等を請求
第3項が、ウェブサイト利用規約への申入れの根拠です。「規約に書いてあるだけで、まだ誰も被害を受けていない」段階でも対象になります。

特定商取引法側(第58条の18〜第58条の24)

取引類型ごとに条文が分かれています。EC事業者に直接関係するのは第58条の19(通信販売)です。

条取引類型
第58条の18訪問販売
第58条の19通信販売
第58条の20電話勧誘販売
第58条の21連鎖販売取引
第58条の22特定継続的役務提供
第58条の23業務提供誘引販売取引
第58条の24訪問購入
第58条の25に適用除外が置かれています。

第58条の19(通信販売)が対象とするのは、大きく4つです。

  • 広告における著しく事実に相違する表示・優良誤認・有利誤認表示(商品性能、権利・役務の内容、申込みの撤回/解除に関する事項)
  • 特定申込みの映像面で、第12条の6第1項各号の事項を表示しない行為・不実表示
  • 特定申込みの映像面での誤認させる表示(イ:申込みとなること/ロ:第12条の6第1項各号の事項)
  • 撤回・解除を妨げるための不実告知

最終確認画面に、何を表示しなければならないのか

実務上いちばん使われる条文なので、正確に押さえておきます。

第十二条の六 販売業者又は役務提供事業者は、…特定申込みを受ける場合には、当該特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面に、次に掲げる事項を表示しなければならない。
 一 当該売買契約に基づいて販売する商品若しくは特定権利又は当該役務提供契約に基づいて提供する役務の分量
 二 当該売買契約又は当該役務提供契約に係る第十一条第一号から第五号までに掲げる事項

2 販売業者又は役務提供事業者は、特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面において、次に掲げる表示をしてはならない。
 一 当該書面の送付又は当該手続に従つた情報の送信が…申込みとなることにつき、人を誤認させるような表示
 二 前項各号に掲げる事項につき、人を誤認させるような表示

特定商取引に関する法律 第12条の6(e-Gov法令検索)

第1項第2号が引く第11条第1号から第5号は、次のとおりです。

号表示すべき事項
第1号販売価格または役務の対価(送料が含まれない場合は、販売価格および送料)
第2号代金または対価の支払の時期および方法
第3号引渡時期・移転時期・役務の提供時期
第4号申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨および内容
第5号申込みの撤回または解除に関する事項(返品特約がある場合はその内容等を含む)
第2号と第5号が、サブスクリプションで最も問題になります。次章で実例を見ます。

第3章 申入れから公表まで、どう進むのか

手続の流れを押さえておくと、書面が届いたときに慌てずに済みます。

STEP 1

申入書が届く(法定の手続ではありません)

多くの事案は、法定の請求の前に「申入書」から始まります。問題とする画面や条項を特定し、修正を求める書面です。この段階では法的な期限はありませんが、対応の姿勢がその後の展開を左右します。

STEP 2

第41条第1項の書面による差止請求

協議が進まない場合、法定の請求書が送られます。条文はこうです。

「適格消費者団体は、差止請求に係る訴えを提起しようとするときは、その訴えの被告となるべき者に対し、あらかじめ、請求の要旨及び紛争の要点その他の内閣府令で定める事項を記載した書面により差止請求をし、かつ、その到達した時から一週間を経過した後でなければ、その訴えを提起することができない。ただし、当該被告となるべき者がその差止請求を拒んだときは、この限りでない。」

この書面が到達すると、1週間で提訴可能な状態になります。そして「拒んだとき」は、その1週間すら待ちません。

STEP 3

協議、または提訴

実際には、多くの事案が訴訟に至らず協議で解決しています。事業者が画面や条項を修正し、団体が確認して申入れを終了する、という流れです。

STEP 4

消費者庁による公表(第39条第1項)

ここが重要です。協議で解決した事案も公表されます。条文は、内閣総理大臣が報告を受けたときに「差止請求に係る判決…又は裁判外の和解の概要、当該適格消費者団体の名称及び当該差止請求に係る相手方の氏名又は名称その他内閣府令で定める事項を公表するものとする」と定めています。

「するものとする」であって、裁量ではありません。訴訟にならなければ表に出ない、という理解は誤りです。

第4章 直近の事案で、実際に何が問題とされたか

ここからが実務の核心です。抽象論ではなく、現に何が指摘されているかを見ます。

A. 最終確認画面が問題とされたもの

公表時期業種問題とされた点
2026年8月米国法人の
オンラインQ&Aサービス
①最終確認画面で初回の請求額を強調する一方、その記載の近くに以降の対価を記載していない②トライアル期間の対価の支払方法・支払時期、トライアル終了後の各回代金の支払時期が表示されていない③「いつでも解約可」と記載しながら、解約の時期や代金の返還に制約がある場合にその内容が表示されていない
2025年12月ECモール出店事業者最終確認画面で「注文を確定する」ボタン直下と画面中央に誤った販売価格を表示し、正しい販売価格はより小さな文字で表示。注意喚起もなし
いずれも消費者庁が消費者契約法第39条第1項に基づき公表した事案です。本記事では事業者名・団体名を記載していません。

1件目の条文構成を、丁寧に見ておきます

消費者庁の公表資料は、①について2つの違反を並べています。

第一に、「表示をしない行為」——以降の対価を記載していないことが、第12条の6第1項第2号の事項の不表示として第58条の19第2号に該当する。

第二に、「誤認させる表示」——初回請求額を強調する表示は、消費者が負担する金額がその額であると誤認するおそれが強く、役務の対価について人を誤認させる表示として第58条の19第3号ロに該当する。

「書いていない」だけでなく、「強調のしかた」も独立して問われています。必要事項を画面のどこかに書いてあれば足りる、という設計は成り立ちません。

③にも触れておきます。「いつでも解約可」という表示は、それ自体が禁止されているのではありません。問題は、実際には解約の時期や返金に制約があるのに、その内容を書いていないことです。

「いつでも解約可」と書くなら、文字どおりいつでも解約でき、日割り精算もできる状態にしておく。そうでないなら、制約を書く。二者択一です。

B. ウェブサイト利用規約が問題とされたもの

こちらは消費者契約法第8条〜第10条を根拠とするもので、件数はこちらのほうが多いです。

公表時期業種問題とされた条項
2026年3月ペット関連の
定期購入サービス
利用規約の条項(第8条第1項第1号・第3号、第10条)
2026年4月通信事業者
(端末下取りサービス)
①返送製品を受け取れなかった場合に理由の如何を問わず一切責任を負わない条項(第8条第1項第1号)②事業者の裁量で自由に規約を変更・改定できる条項(第10条・民法第548条の4第1項との関係)
2026年8月医薬品等の通信販売①事前通知・承諾なしの規約変更条項②専属的合意管轄条項③弁護士費用を利用者負担とする条項(いずれも第10条)
2026年8月化粧品の通信販売公式オンラインショップ利用規約の条項(第8条第1項第1号・第3号、第10条)
いずれも消費者庁が消費者契約法第39条第1項に基づき公表した事案です。

専属的合意管轄条項について

2026年8月の事案で示された理由は、実務家として押さえておく価値があります。「インターネット通販により販売していることから、商品を購入する消費者は日本全国各地に存在する」ため不当である、というものです。

自社の本店所在地の裁判所を専属管轄とする条項は、BtoBの契約書ではごく標準的です。しかし全国のユーザーを相手にするECの規約にそのまま持ち込むと、消費者契約法第10条の問題になります。

BtoBの雛形をBtoCに転用したときに起きる典型的な事故です。ご自身の規約を確認してみてください。

第5章 海外事業者にも届くのか

結論から申し上げると、届いています。ただし、時間はかかります。

2026年8月に公表された、米国法人のオンラインQ&Aサービスの事案を見ます。関東の適格消費者団体が申入れを行い、訴訟に至らずに申込確定画面の修正がなされました。

時期出来事
2024年10月申入れ開始
同月事業者から回答書(当初は拒否)。「お試し料金の直後に月額が明記されており、確認画面から既に明らか」「解約に制限はないので追加説明は不要」という趣旨
2025年2月消費者契約法第41条第1項に基づく差止請求書を送付。提訴予定の裁判所も明記
2025年4月事業者の日本の代理人弁護士から連絡。「真摯に検討し、誠実に考慮した結果」画面を修正したとの回答
2025年8月団体が再申入れ。修正後の画面で「定期契約」の部分が太字から外れている点を指摘
同月事業者が再修正に応じる旨を回答
2026年3月団体が修正を確認し、申入れを終了
2026年8月消費者庁が第39条第1項に基づき公表
申入れ開始から終了まで約1年6か月。国内事業者の事案では数か月で終わるものもあり、比較すると長期化しています。

この事案から読み取れることを3点。

① 有効性を争いながら、修正には応じている

事業者の代理人は、連絡書の脚注で「本請求書が消費者契約法41条1項に定める書面による差止請求として有効であることを認めるものではありません」と留保を付しています。

つまり法的な争いは留保しつつ、事実上は修正に応じるという対応です。国際裁判管轄や送達の問題を正面から争わずに済ませた、と読めます。

② 日本の代理人を選任している

実効性を支えた要素の一つは、事業者が日本の法律事務所を代理人に選任したことだと考えられます。窓口が国内にできると、協議は動きます。

③ 会社法上の論点まで問われている

団体は再申入れの中で、外国会社の登記について問いを立てています。会社法第817条第1項(日本における代表者の選定)、第818条第1項(登記をするまでは日本において取引を継続してすることができない)、第933条(3週間以内の登記申請)を挙げたうえで、登記をしていない理由を尋ねる内容です。

これに対する実質的な回答は、公表資料からは確認できませんでした。日本向けにサービスを提供する越境事業者にとって、表示の問題が会社法上の論点に波及しうることを示す例です。

第6章 なぜ行政処分より先に来るのか

制度上の重さでいえば、行政処分のほうが上です。業務停止命令は事業そのものを止めます。差止請求は画面や条項を直させるだけです。

それでも、実務では差止請求のほうが先に届く可能性が高い。理由は3つです。

 行政処分差止請求
いつから可能か新しい規律は法改正・施行を待つ現行法で今日から
誰が動くか行政(人員と優先順位の制約がある)27団体がそれぞれの関心で動く
被害の立証事案の積み上げが必要「行うおそれ」で足りる。画面を見れば始められる
3つ目が決定的です。差止請求は、被害者が現れるのを待ちません。

「ガイドラインが出てから考えます」という構えの弱点は、ここにあります。ガイドラインを待っている間も、自社の画面は公開されたままです。団体は、その画面を今日見ることができます。

第7章 申入書が届いたときの社内フロー

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。多くの会社に、この受け皿がありません。

対応 1

受領日を記録し、法務に即日回す

郵便で届きます。宛先は代表者宛てであることが多く、総務や代表電話の窓口で止まりがちです。「消費者団体からの書面」がどこに滞留しうるか、経路を確認しておいてください。

第41条第1項の請求書であれば、到達時から1週間という起算点が動き始めます。

対応 2

指摘された画面・条項の「現物」を確保する

申入書には、問題とする画面の写しが別紙で付いていることが多いです。まず、それが現在の画面と一致しているかを確認してください。すでに改修済みという場合もあります。

同時に、その画面をいつから表示していたかを記録しておきます。後の協議で必ず必要になります。

対応 3

法務と開発・マーケティングを同時に動かす

差止請求は金銭で解決できません。求められるのは画面や条項の修正です。したがって法務だけで回答を作っても、実行できません。

先の海外事業者の事案では、修正に応じたあと「定期契約」の太字の扱いという細部で再申入れを受けています。修正の粒度まで協議の対象になるということです。実装できる人が最初から入っていないと、往復が増えます。

対応 4

公表されることを前提に、方針を決める

第39条第1項により、協議で解決しても公表されます。そのうえで、公表資料には「改善措置情報の概要」という欄があります。

先の海外事業者の事案では、この欄は「なし」でした。事業者から改善措置の連絡がなされていない、ということです。

ここに何が載るかは、事業者側の対応で変わります。どう公表されたいかを含めて、方針を立てる価値があります。

対応 5

同種の設計が他にないかを、自分から探す

これがいちばん見落とされます。指摘されたのは1つの画面かもしれませんが、同じ雛形・同じ実装が他のサービスにも使われているはずです。

指摘箇所だけ直すと、同じ団体から、別サービスについて再度申入れを受けます。横展開まで含めて一度で終わらせるほうが、結果的に短く済みます。

今週やるべきこと

順序やること目安
1日目自社の最終確認画面を印刷し、特定商取引法第11条第1号〜第5号+分量の6項目が、1画面で一体として読めるかを確認する。項目が揃っていても、散らばっていれば要検討です1時間
2日目サブスクの場合、2回目以降の金額と支払時期が、初回金額の近くに書かれているかを確認する。ここが直近事案の中心です1時間
3日目「いつでも解約可」「定期縛りなし」等の表示があれば、実際の解約条件と突き合わせる。制約があるのに書いていなければ、書くか、表示をやめるかを決める2時間
4日目ウェブサイト利用規約を通読し、①一切責任を負わない条項 ②一方的変更条項 ③専属的合意管轄条項 ④弁護士費用の相手方負担条項がないか確認する。BtoBの雛形を流用していないかが要点です半日
5日目代表者宛ての郵便が法務に届くまでの経路を確認する。何日かかるかを、実際に測ってみてください1時間
4日目は、意外に指摘率が高い領域です。規約は一度作ると読み返されないため、雛形の出自が残り続けます。

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→ ダークパターンが特商法に入る──「解約させない設計」を名指しした中間取りまとめ案

→ 解約妨害が消費者契約法で禁止される──2026年8月31日の中間取りまとめ案を読む

本稿執筆時点で未確認の論点

  • 海外事業者に対する差止請求の、国際裁判管轄・送達・執行に関する公式見解。本記事で扱った事案は協議で解決したため、これらの論点は顕在化していません。
  • 同事案における外国会社の登記の有無。団体からの問いに対する実質的な回答は、公表資料からは確認できませんでした。
  • 修正後の実際の画面。団体が公表しているサンプル画面のPDFは存在しますが、本記事では画面の細部までは確認していません。
  • 指導にとどまった事案や、公表に至らなかった申入れの件数。公表されるのは第39条第1項の要件を満たしたものに限られます。
  • 中間取りまとめ(案)で示された差止請求の対象拡大が、特定商取引法・消費者契約法のいずれで手当てされるか。いずれの案も条番号を示していません。

おわりに

3本続けて、ダークパターン規制の話を書いてきました。最後にこの記事を置いたのには理由があります。

前2本は「案」の話です。案の記事だけを読むと、「まだ先の話だ」という結論になりかねません。しかし実際には、現行法の下で是正が進んでいます。しかも、事業者名を含めて公表されています。

だからこそ、いま見ておく価値があります。私は、企業経営における法的リスクマネジメントの基本は、「トラブルが起こる前に、トラブルが起こらないようなスキームを構築する」ということにあると考えています。

当事務所は、事業スキームから法的リスクを洗い出すことを方針としています。「この規約に問題はないか」ではなく、「この画面と規約が、誰にどう説明できるか」という視点で拝見します。EC・サブスクリプションの表示設計、利用規約の点検など、お気軽にご相談ください。

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